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2017-07-12

【専門家コラム】モンゴル不動産における相続税

  • 海外不動産コラム

前回の記事では主にモンゴル不動産における共有名義について解説しました。今回は前回に引き続き原口先生にモンゴル不動産における「相続」、またモンゴルに限らずに不動産を相続する時において発生しうるトラブルなどにについてお話して頂きました。

モンゴル不動産における共有名義と相続

Q. 共有名義の不動産は売れるのでしょうか?

A. 売れます。しかし、相続でもそうなのですが、共有名義の不動産だと売れるのにどうしても時間がかかってしまいます。これはやはり二人が同意を持ってこいという要望や揉めた時に面倒くさくなってしまうからというのが理由でしょうね。そこで日本ではよく、妻や愛人に一部だけでも持たせることで自分が住んでいるところを勝手に売られないようにするという方法が用いられていますね。

Q. モンゴルで、共有名義にされた方で今まで揉められたことはありましたか?

A. まさに相続で揉められる方が非常に多いですね。一人で不動産を所持していたが突然亡くなって、そこで妻や愛人などが出てくればそのままでは売れない為に、どうするかと揉めることはよくありますね。そこでこのトラブルを避ける為には相続人を指定する遺言が重要になってきます。しかし、一緒に住んでいた愛人が相続人などを無視して全て私にくれという要望を了承して愛人宛に遺言を残すというケースがよくあるのですが、その場合はこの遺言は適用されません。これは「遺留分」という制度に則って決められたものです。

Q. 「遺留分」とはどのような制度なのでしょうか?

A. 遺言に関しては周囲尊重で亡くなった人が自分の財産を自由に処分出来るのですが、そうしますと生活される人たちが困りますので困らない程度の一定限度は残すという制度になります。例えると、坂本さんには妻と子供が二人いました。そして坂本さんが亡くなった場合、本来妻が1/2、二人の子供がそれぞれ1/4ずつもらえるはずでした。しかし、愛人に騙されて全ての財産を愛人に手渡すとなってしまうと妻と子供は本来もらえた分までもらえなくなってしまいます。そうなってしまった場合、愛人に渡った財産の半分、つまりは妻が1/4、二人の子供がそれぞれ1/8ずつ受け取れる手筈となっています。ただしこれには愛人に騙されたと認識してから一年が期限となっています。この遺留分という制度は騙された相手から取り返せる割合の配分などは変わってきますが、モンゴルでも適用されています。


遺言状について

Q. 例えば日本人の男性の方がモンゴルに不動産を所持していましたが、その後亡くなってしまった場合は所持している不動産はどのように相続するのでしょうか?

A. その場合はかなり揉めますね。実際にあった事例としては日本人男性が日本に妻と子供がいる状態でモンゴル人の女性とモンゴル不動産を購入したのですが、その後日本人男性が亡くなって相続をどうするかというものはありました。この場合はモンゴル人の女性が全て相続しようとしたのですが、遺言があった為に日本にいる妻と子供にも配分されました。しかし、そもそも遺言など無効である、遺言などあるはずがないと主張される場合があるので注意が必要ですね。

Q. 上記の遺言状の信憑性などの問題を避ける為にはどういった方法があるのでしょうか?

A. 日本でよくあるのは公証人役場を用いるという方法があります。遺言状は原則として紙に書かなければいけません。勿論書いた遺言状をご自身で所有している場合でも効果はありますが、遺言状の信憑性をしっかりと高める為には公証人役場に行って公証してもらい、遺言状を一つ公証人役場で持っていてもらうというのが確実な方法となります。さらに公証をしておけば裁判をやる必要もなく、直接執行できるという利点もあります。

Q. 遺言状を書くのは一般的なんでしょうか?

A. そんなことはないですね。ほとんどの人がまだ自分は死なないと安心しているのが原因の一つとなっているというのはありますね。後は高齢化により手が思うように動かずペンを握ることもままならない為に遺言状を書けないという方が多いかと思います。

Q. 遺言状が二枚出てきた場合どちらが適用されるのでしょうか?

A. その場合は二枚目が適用されます。理由は亡くなる前の最新の意思を尊重しようとする為です。しかしここで厄介なのが遺言状に執筆者の意思が含まれていないという問題があります。例えばアルツハイマーであったりすると執筆者に精神的な能力があるか分からない為に公証人役場は遺言状自体が無効になるかどうかを慎重に見極めなければなりません。そうなってしまった場合は周りの方から生きていた時期のことを聞いて判断するしかありませんが、裁判は避けられない状況となりますね。



インタビュー話者:原口薫


事務所:原口総合法律事務所

経歴:大学法学部法律学科卒業

   米国シカゴ大学ロースクール修士課程卒業

資格:平成元年 東京弁護士会登録

   平成7年 ニューヨーク州弁護士登録

専門分野:国内企業の海外展開(モンゴルと中国)、海外企業の国内展開、

国境を跨ぐ相続、訴訟、仲裁その他の紛争解決、倒産、労働事件、刑事事件

一般企業法務、企業買収(M&A)、金融、不動産、独禁法、国際債権回収、著作権、