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2017-07-11

【専門家コラム】米国不動産を保有している場合の税務申告

  • 海外不動産コラム



米国不動産を保有している場合、法人名義で保有しているか個人名義で保有しているかにより税務申告方法は異なります。


1. 米国の税務の取扱い

A. 個人名義で米国の不動産を保有している場合


個人名義で米国の不動産を保有しており、不動産賃貸所得(※1)ある場合は、原則としてその年の翌年の4月15日までに提出をしなければなりません。また、納付すべき所得税額の納付期限もその年の翌年の4月15日までとなります。


なお、申告期日である4月15日に米国外に居りなおかつ事業の本拠地が米国外にある米国市民および居住外国人は、特例として、自動的に申告書の提出期限が2か月延長され、申告期日は6月15日となり、さらなる延長の申請も行えます。但し、所得税額の納付期限は、4月15日のままとなります。


米国の不動産の賃貸所得は、SCHEDULE E(Form 1040) Supplemental Income and Loss

(補助的損益計算書)で算定され、賃貸所得=賃貸収入-賃貸経費で算定されます。


賃貸経費としては、広告宣伝費、旅費交通費、支払手数料、保険料、専門家報酬、借入利息、その他利息、修繕費、租税公課、水道光熱費、減価償却費等が例示としてSCHEDULE Eにあらかじめ記載されています。


米国居住者は、form1040 U.S. Individual Income Tax Return(米国所得税申告書)のIncomeの項目の中のRental real estate, royalties, partnerships, S corporations, trusts, etc. Attach Schedule Eの欄にSCHEDULE E(Form 1040) Supplemental Income and Lossで算定した賃貸所得を転記してその他の収入や経費、控除項目、税額控除等を考慮してform1040 U.S. Individual Income Tax Returnにおいて最終的な所得税額を算定します。


米国非居住者は、form1040NR U.S. Nonresident Alien Income Tax ReturnのIncomeの項目の中のRental real estate, royalties, partnerships, trusts, etc. Attach Schedule E (Form 1040) で算定した賃貸所得を転記してその他の収入や経費、控除項目、税額控除等を考慮してform1040NR U.S. Nonresident Alien Income Tax Returnにおいて最終的な所得税額を算定します。

なお、州税は、州により取扱いが異なりますので説明を省略します。


※1 不動産賃貸所得

不動産所得とは「土地や建物などの不動産の貸付」「地上権など不動産の上に存する権利の設定および貸付」「船舶や航空券の貸付」の所得のことを言います。


B. 法人名義で米国の不動産を保有している場合


日本法人名義で米国の不動産を保有しただけでは、米国での申告義務はありませんが、不動産を賃貸したり売却したり不動産所得が生じる場合は、米国において申告する義務が生じます。


日本法人は米国において外国法人になりますので、米国で不動産関連の所得が生じた場合には、Form 1120-F U.S. Income Tax Return of a Foreign Corporation(外国法人の米国法人税申告書)を用いて申告します。


法人でも賃貸経費になる項目は、個人と基本的には同じです。

Form 1120-F U.S. Income Tax Return of a Foreign Corporationの申告期限は、連邦税(※2)は決算日から6か月目の15日であり、申告期限の延長は6ヶ月間認められていますが、納税が発生する場合には、申告期限までに予定納税を行なう必要があります。

米国法人名義で米国の不動産を保有している場合は、不動産を賃貸したり売却したり不動産所得が生じる場合は、Form 1120 U.S. Corporation Income Tax Returnを用いて申告します。


Form 1120 U.S. Corporation Income Tax Returnの申告期限は、事業年度末の3ヵ月後の15日まで申告書を提出する必要があります。なお、この期限はForm7004により6ヶ月間延長することができますが、この場合Form7004提出時に予定納税額を納付する必要があります。


賃貸収入はIncomeの中のGross rents として、賃貸経費はDeductionsとして、他の収入や経費と合算して収入、経費を算定し課税所得(※3)、連邦法人税額(※4)を算定します。

なお、州税は、州により取扱いが異なりますので説明を省略します。


※2 連邦税

  国に納める税金のことです。

※3 課税所得

  課税対象となる個人所得のことです。

※4 連邦法人税額

  日本でいういわゆる国の法人税額です。


2. 日本の税務の取扱い

C. 個人名義で米国の不動産を保有している場合


日本の居住者であり、個人名義で米国の不動産を保有しており不動産関連所得がある場合は、日本での所得と米国での不動産関連所得を合算して申告する必要があり、これを全世界所得課税といいます。


居住者は、所得の生じた場所が国内であるか、国外であるかを問わず全ての所得について日本で課税されますが、国外で生じた所得について外国の法令で所得税に相当する租税の課税対象とされる場合、日本及びその外国(今回のケースでは米国)の双方で二重に所得税が課税されることになります。


この国際的な二重課税を調整するために、所得税の額及び復興特別所得税(東日本大震災の被災者救援の財源確保を目的にした税金であり平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間課される予定です。)の額から差し引くことができ、これを外国税額控除といいます。


上記より、米国の不動産を賃貸していて損失が出る場合、日本で全世界所得課税であるため、損益通算により課税所得が圧縮され節税となり、米国の不動産賃貸所得で利益が出て納税している場合は、日本で外国税額控除を取ることができることがわかります。


D. 法人名義で米国の不動産を保有している場合


日本法人名義で米国の不動産を保有しており不動産関連所得が生じる場合は、米国での不動産関連所得も日本法人の所得になりますので、個人の場合と同様に日本での所得と米国での不動産関連所得を合算して申告し、国外で生じた所得について外国の法令で法人税に相当する租税の課税対象とされる場合、日本及びその外国(今回のケースでは米国)の双方で二重に法人税が課税されるため、国際的な二重課税を調整するために、外国税額控除を取ることができます。


米国法人名義で米国の不動産を保有している場合は、日本で発生した所得がない限り日本で申告する必要はありません。



著者:福留 聡


所有資格:日米公認会計士日米税理士資格保有、公認会計士、税理士、米国公認会計士、米国税理士

事務所名:福留聡事務所

経歴:慶應義塾商学部卒業後、

監査法人トーマツ入社、その後同社を退社後、

あずさ監査法人入社、三年後同社を退社。

公認会計士税理士ワシントン州米国公認会計士米国税理士福留聡事務所を開業。

現在は福留聡国際会計アドバイザリー株式会社を設立し代表取締役に就任


本コラムは、税理士、弁護士、不動産鑑定士などの専門家が執筆したコラムです。

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